この国に来てまだ近所以外の土地勘が全くないころのこと。
何かの用事で全く知らない場所へ車で行かなければならなかった。
これは私にはとっては大きなことだった。
なぜなら私は極度の方向音痴。なんだったら右と左も苦手。
知らないところへ出かけるときはそれ相当の覚悟がいる。
特に時間厳守のときなんて1時間プラスで出発しても良いほどの危険人物。
というわけで、友人が自分のカーナビを使って良いよといってくれた。
私は英語のナビであろうが、マイルやヤードの感覚は分からないにしろ、
とにかくありがたい話だ♪と喜んで既に友人が目的地セットしてくれたナビを
借りて出発した。
ちなみにこのナビ、吸盤でフロントガラスにくっつけるタイプのナビ。
ただし砂漠の暑さに吸盤はやられていてフロンとガラスにくっつけても
数分でがんがん落ちまくるという代物。
なので本体は手で持つか座席に置き、たまに手で持ち上げて見ることを強いられる。
ということで耳が命のナビなのだ。
さて話を戻して運転してから最初の曲がり角まで数分。
角の手前でナビが話し始めた。
「ん?」
なんか聞き取りにくいなぁ。。。と思いながら仕方なく画面をチラ見。
曲がる方向を地図で確認し、とりあえず曲がった。
自分のリスニング力の弱さを反省しながら、目的地に着けなかったらどうしよう
と不安に思いながら走った。
そしてハイウェイに乗る手前あたりに来た。そろそろまたナビが話すころだ。
もう一回ちゃんと聞こうと耳を前より集中させた。
ざーざーと雑音のような音に混じって右斜め方向に進めと言っていた。
なんとかぎりぎり聞き取れた。
でも、なんだか聞いたことある声だった。
とにかく聞きにくいし不安が募る。画面を見ると危ないし、、、
あーあ。遅刻決定やん。がっかりしながら出発して20分、
この先くらいから分からなくなりそうだと思った瞬間、ナビの声。
「!」
やっと分かった声の主。
「ダースベーダーやん。。。」
私がチューバッカやR2D2じゃなかったことに感謝しようと心から思ったことは
言うまでもない。